わたしの本当の王子様は、誰?


だから俺は、がらにもなく自分からうざいといっときながら、いとも簡単に愛鳥のもとへと向かって傘を差しだした。


雨に打たれながら泣いている愛鳥に。


まだ本当の真実をなにも知らない愛鳥に。





「勘違いすんな」

「・・え?」

「俺はお前うざい、それは変わらない」


ほら、殴れよ、俺のこと。

怒れよ。



「ふふ」「面白いなあって」

はは。面白いって。なにが?

お前、俺が心を開いたとでも思ってるわけ?

ああ、イライラする。


俺って自分勝手だ。

なんで愛鳥にこんな感情を抱いてしまうんだろう。

< 143 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop