わたしの本当の王子様は、誰?
溢れる思い
愛鳥side
*
「・・・」
言葉が、なにもでてこない。
話し終えた父さんと母さんもまた、無言。
新生児の取り違え。
ううん。取り違えというより、わざと。
自分の跡取りが、孫である子が男の子であってほしいと願った、そんな勝手な欲望で。
そんな勝手な欲望のせいで、わたしと桐生くんは巻き込まれた。
わたしと桐生くんだけじゃない。
わたしの父さん、母さん、桐生くんのお父さんにも。死んでしまったお母さんにも。
全員を、苦しめている。