わたしの本当の王子様は、誰?


だからね、桐生くんにも同じように思ってほしい。

すり替えられていなければ、そう思うんじゃなくて、すり替えられたからこそ得たものを、大事だと思ってもらいたい。

それは難しいことだってこともわかる。

でもひとりじゃないってことを知ってほしい。

少なからずわたしは桐生くんの気持ちがわかる。同じ境遇として。




だから桐生くん。

わたしがあなたの友達になってあげる。

ひとりで悲しいなら、わたしがあなたの本当の友達になってあげる。

笑顔ばっかりふりまいて、ていねいに言葉を返して、そんな桐生くんじゃなくてもわたしはいい。

冷たい目でわたしをみて、冷たい言葉をはなって、誰も信用してないような顔で、それでもかまわない。


それが本当の桐生くんなら。

わたしはそれを受け入れてあげる。


だから、どうかもうひとりで悩みませんように。

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