わたしの本当の王子様は、誰?
「わたし、桐生くんとちゃんと話したい」
でも、その言葉でわかった。
愛鳥は自分よりも桐生の心配をしているんだと。
愛鳥のせいじゃないのに、きっと桐生があんな風になったのは自分だと思っている。
「不思議だよね。あんなにひどいこと言われたのに、わたし桐生くんのことこんなにも気になってる」
それは俺が望まなかった未来。
あいつだけには愛鳥をとられたくないと思っていた。
あいつだけは、愛鳥の王子様にはなれないと思っていた。
でもわかるよ。
これだけ一緒にいるんだから。
愛鳥が桐生のことを気になっていて、好きになりかけてくることくらい。