わたしの本当の王子様は、誰?
「きゃー!!!」
校門から聞こえる声。
この声がするとすぐにわかる。
桐生くんがいるんだなって。
桐生くんがきてからもう4ヶ月くらいたつのに。
いまだに人気者。
「愛鳥?」
いきなり立ち止まったわたしを心配そうにみる健人。
「ごめん。やっぱり、こわい」
行きたくないと思ってしまう。
弱い自分。
せめてこの声がなくなるまで、桐生くんが校舎に入るまで、立ち止まっていたい。
健人はなにもいわず、わたしの隣にいてくれる。