わたしの本当の王子様は、誰?


「なんか金井から聞いてたのと違うんだけど」

「ん??健人?」

「愛鳥は昔からお姫様になりたくて、王子様が迎えに来てくれるって信じてるって。だから、こうやってすれば愛鳥は簡単に落ちるよって」


健人・・・なんてことをいってくれたんだ。

いや、それは本当だよ?

迎えにきてくれるって信じてたし、お姫様になりたかったし。

でもさ、こういうことする人だって知らなかったしさ。

単純に驚きが大きすぎて、それどころじゃないんだよ。



「もしかして、これじゃ嫌だった?」

「あ、ううん、別に・・・え!?」


よっこらせと腰をあげた桐生くんはそのままわたしをお姫様抱っこした。


「いやいやいや!だから!そんなことする人だった?」

「俺、これでも頑張ってるんだけど。愛鳥の王子様になろうと」

「・・あ、うん。そうだよね。ありがとう」


なんかすごく申し訳なくなってきた。

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