わたしの本当の王子様は、誰?
「いや、きいて…」
ない。そう言おうとしたときだった。
「きゃー!!!!!」
悲鳴のような叫びが聞こえてきたのは。
うるさすぎて思わず耳をふさいだ。
隣をみると健人も耳をふさいでいる。
「な、なにごと!?」
声がした方向に急いでいってみれば、そこは学校。
事件!?事故!?
なんてそんなことを考えたのはほんの一瞬だった。
みたこともない、それこそドラマとかそんな世界でしかみたことがない、高級車が止まっている。
白色のリムジンが。
わたしはそれをみた瞬間駆け出した。
「おい!」
健人がそう呼びかけたのなんて無視をして、みんなの輪の中へと。