わたしの本当の王子様は、誰?
小学生のころはわたしよりも身長が低くて泣き虫だった健人は、いまやとっくのとうにわたしの背を越し、顔つきも大人びて、全然泣かなくなって。
それでも、王子様には思えなかった。
わたしは健人のお姫様にはなれない。
きっと健人もそう思ってる。
わたしたちの間では一切恋愛話はでてこない。
お互いタブーだとわかってる。
親からどんなにいわれようが、まわりから冷やかされようが、わたしたちはその話題には触れない。
なにもなかったかのように過ごす。
今日もさっきあんなに言われたけど、もちろん話さない。
わたしたちの間では、絶対に。
恋愛話は禁止なのだ。