わたしの本当の王子様は、誰?
真美は一見クールみえるけど、でも誰よりも人のことをよくみてる。
そして変化に気付く。どんなに些細なことでも。
そんな真美のことを怖いと思った時期もあったけれど、今は全然。
むしろ感謝してる。
俺なんかの相談に乗ってくれることに。
こうして愛鳥のことを教えてくれることに。
「守るよ。ちゃんと」
愛鳥から王子様だって思われなくたっていい。
ただ隣にいられるなら、そばで笑っててくれるなら、それでいい。
でも・・・
転校生。桐生海。あいつだけは許さない。
愛鳥のことを平気で傷つけたあいつだけは許さない。
あいつだけには絶対に愛鳥をとられたくない。
愛鳥がもしあいつを好きになって王子様だと言い張ったとしても、それでも。
愛鳥が貸してくれた教科書を握り締めて、俺は教室へと戻った。