わたしの本当の王子様は、誰?
あ、あはは。
無理だったみたい。
余裕でとめられちゃったよ。
もしかしたら、逆に殴られるかも。
怖くなって目をぎゅっとつぶった。
でもいくら待っても痛みはやってこない。
恐る恐る目をあけた。
「いないし!!」
彼はいなくなっていた。
本当に、謎だ。
意味がわからない。
朝の出来事といい、今の出来事といい。
だってわたし「あの」って話しかけただけだよ?
教室にいたときは一切しゃべりかけてないよ?
桐生くんの癇に障るようなことはなにもしてない。はず。