わたしの本当の王子様は、誰?


「おまたせしました」

健人がクレープを受け取り、バナナチョコクリームのほうをわたしにくれた。



「なんでわかったの??」

迷ってはいたけど、どっちかといえば今の気分はバナナチョコだった。


「だって愛鳥こっち先に指さしたから」

「っ」

「愛鳥ってわかりやすいよな。だいたいいつもそうだよ。迷ってても優先順位は決まってるからそっちを先に指さす。っていっても、例外はあるけどな。でも今日はバナナチョコのほうめっちゃみてたし。だから」


健人・・いつも、そうしてくれてたの?

健人は優しい。優しすぎる。


だいたい自分が食べたいものよりもわたしが迷っていたらその2つを頼んでくれる。

そして分け合って食べてくれる。

わたしが食べきれなかったら、かわりに食べてくれる。

わたしはなんて贅沢な女なんだろうか。

< 38 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop