わたしの本当の王子様は、誰?
「ねえ、健人」
「ん?」
「健人はわたしのこと、好き?」
タブーだった話を、決して口にはしなかった言葉を、わたしは口にした。
この好きは、友達として聞いたんじゃない。
恋愛として聞いた。
たぶん健人もそれには気づいたと思う。
だってすごくびっくりした顔をしてるから。
口をぽかーんと開けて、まぬけな顔。
「好きだよ。ずっと」
でもそういった健人の顔は真剣だった。
夕陽に照らされて少し赤く染まった頬。