わたしの本当の王子様は、誰?


「ねえ、健人」

「ん?」

「健人はわたしのこと、好き?」


タブーだった話を、決して口にはしなかった言葉を、わたしは口にした。

この好きは、友達として聞いたんじゃない。

恋愛として聞いた。

たぶん健人もそれには気づいたと思う。

だってすごくびっくりした顔をしてるから。

口をぽかーんと開けて、まぬけな顔。




「好きだよ。ずっと」

でもそういった健人の顔は真剣だった。

夕陽に照らされて少し赤く染まった頬。

< 40 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop