わたしの本当の王子様は、誰?
下駄箱につくとすでに愛鳥の姿があった。
ああ、俺かっこ悪。
こんな息切らしちゃって。
なにもされてないよとわざわざ一回転までしてくれた愛鳥だけど。
俺は騙されない。
その顔は、朝と同じくやっぱり傷ついてるようにみえる。
「お前、なんで朝あんなこといったんだよ」
「え?」
「真美から聞いたよ。なんで嘘ついた」
「・・あ、そっか。聞いちゃったか。うん、そっか」
別に問い詰めたかったわけじゃなかった。
愛鳥のこと、困らせたかったわけじゃなかった。
ただ、どうしても怒りが収まらなくて。
それは愛鳥へじゃなくて、桐生へ。
それなのに愛鳥を問い詰めるなんて最低だな俺。