わたしの本当の王子様は、誰?
「ねえ、健人」
「ん?」
「健人はわたしのこと、好き?」
今度は、俺が目を見開く番だった。
さっきの愛鳥よりもきっと何倍も驚いている。
俺たちの間で恋愛話は禁止だった。
別に決めたわけじゃない。
お互いがお互いそんな風に勝手に思っていただけ。
それなのに、愛鳥がまさかそんなことを聞くなんて。
きっと今日じゃなかったら、このタイミングじゃなかったら、俺はそう聞かれても簡単に答えただろう。
好きだよと。
それは友達として聞いてるかってことをわかってるから。
でも、いまは違う。
愛鳥は恋愛として聞いている。
それがわかるのは、長年こうして一緒にいるからだろうか。