わたしの本当の王子様は、誰?
「愛鳥、どう?」
「...え?」
「いや、この子あんまり学校のこと話してくれないから」
車を運転している愛鳥のお父さんの顔。
鏡にうつったその顔は、心配そうな顔。
変な奴が転校してきて愛鳥にいったんですよ。ブスって。
そんなこといってみたいもんだけど、それはさすがにいえない。
自分の娘がブスなんていわれたって知ったらショックだろうし。
「普通ですよ。俺学校のときはクラス違うんであんまりわかんないけど」
「そうか、そうだよな。すまないこんなこときいて」
転校してきた初日に、桐生に2回もひどいことをいわれた愛鳥。
2回目は結局聞かなかったから知らないけど、傷ついていたようにみえたから、きっといわれたんだと思う。