わたしの本当の王子様は、誰?


「愛鳥、どう?」

「...え?」

「いや、この子あんまり学校のこと話してくれないから」


車を運転している愛鳥のお父さんの顔。

鏡にうつったその顔は、心配そうな顔。


変な奴が転校してきて愛鳥にいったんですよ。ブスって。

そんなこといってみたいもんだけど、それはさすがにいえない。

自分の娘がブスなんていわれたって知ったらショックだろうし。



「普通ですよ。俺学校のときはクラス違うんであんまりわかんないけど」

「そうか、そうだよな。すまないこんなこときいて」


転校してきた初日に、桐生に2回もひどいことをいわれた愛鳥。

2回目は結局聞かなかったから知らないけど、傷ついていたようにみえたから、きっといわれたんだと思う。


< 65 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop