わたしの本当の王子様は、誰?


「なあ、さっきも聞いたけど、なんかあった?」

「なんで?」

「だってその恰好。おかしいだろ」

「そんなことないでしょ、ほらみてよ。わたしみたいな恰好してる人ほかにもいるよ?」


たしかにいる。

みんながみんな半袖を着てるわけじゃない。

そんなことを、聞きたいわけじゃない。




「ほんとなにもないから、気にしないで」


愛鳥と違って真美はわかりづらい。

愛鳥のように単純だったら、わかりやすかったらよかったのに。

顔にでやすいタイプならよかったのに。


顔色ひとつ変わらない真美は、いつもと別に変らない。

だから気づかないんだ。

本当の真美の気持ちに、心に。

もっと俺と愛鳥を頼ってほしいのに。

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