わたしの本当の王子様は、誰?
「転んだっていってもさすがにこの顔で学校いくのちょっとつらいからさ。もうちょっと治ったら学校いくから。だから待ってて。学校でわたしのこと、待ってて」
そんなこといわれたら。
「うん。待ってる」
そういうしかないじゃん。
「今日はきてくれてありがとね」
玄関まで送るよっていってくれた真美を必死でとめた。
だって、お母さんはまだ帰ってきてない。
あいつがリビングにいるかもしれない。
部屋からでるのだってつらくて、鍵だってつけたのに、わたしを送るためにわざわざ部屋をでてほしくなかったから。
部屋をでるときの真美の顔をわたしは忘れない。
あのときのように泣いてはないけど、心の中ではきっと大声で泣いているであろう真美の顔を、絶対に。