もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!
まっすぐに私を見つめそう言った彼。
違和感なく、ココロに浸み込んでくる彼のその言葉。
確かに今までの私達は本当にいろいろなことがあったけれど、
今、こうやってふたりでいるのも、ふたりでいろいろなことを乗り越えてきたから。


「それに、その難問の解き方、わかるかもしれない。なんといっても俺には貴重な実績があるからな。」

『実績?』

「俺は血が繋がっていない親父とお袋・・・高梨夫妻に大切に育ててもらった実績。」


そういえばそうだった
今でも信じられないけれど、ナオフミさんが乳児だった頃
母親である早紀さんが仕事と育児の両立に悩み、身体虐待をしてしまった
そんな状況に陥ったナオフミさん、そして早紀さんを守るために立ち上がったのは私の両親だった

でも、私の父親が過労死でこの世からいなくなってしまったのを機に
ナオフミさんは日詠夫妻のもとへ戻された
そんな過去がある


「高梨夫妻に育てられた過去があるから、今の俺がある。」


一切淀みのない彼のその言葉に
偽りはない
そう思えた

産婦人科医師だった高梨の父親に憧れて同じ産科医師になったナオフミさん
同じ職場で従事している福本さんも
”高梨先生とナオフミさんはまるで親子のよう”と嬉しそうに話しているのをよく耳にする

そして、東京の日詠先生のところに結婚の挨拶に行った時に、ナオフミさんの部屋にあった高梨の母親からの手紙を読む彼の横顔がとても穏やかだったことも想い出した


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