もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!
「死んでますよ、目が。」
『・・・ああ。自分でもわかってる。』
外来診察後、医局に戻って弁当を食べ始めた俺だったが、箸が進まずにいた横からかけられた声。
「市販の弁当でも筑前煮の椎茸、入ってる!日詠さんの好物、盗んじゃおうかな。」
『・・・ご勝手にどうぞ。』
「あまりにもあっさりで、手が出せんし。何かあったんですか?」
椎茸が盗まれそうな状況でも無抵抗な俺がよほど気持ち悪かったのか
弁当のおかず盗みの達人である森村に逆に心配された。
『・・・他人の手で治療できるのに、自分の手で治療できない。』
「へぇ~日詠先生でもできないことあるんですね。ゴットハンドで名が知れている日詠さんでもね。俺だったら、レイナお手製の筑前煮の椎茸みたいに、盗む努力するけど。治療技術を。」
『は?』
「治療できる人間から盗めばいい。その努力をすることが、今まで治療してやれなかった患者への償いなんじゃないですか?」
『・・・盗む・・・か。』
先輩医師の技術を盗む
それは、研修医時代は当たり前にやっていたこと
でも、自分が指導医を担うようになってきた最近では
他の医師の技術を盗むということから遠ざかってきていた