もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!


出産前診断のひとつの手段である胎児超音波検査で双胎間輸血症候群が見つかったから、早期診断、治療ができた
出産前診断のメリットが実を結んだ結果だった

でも、その検査が、妊娠中の妊婦に新たな不安・ストレスを与えてしまうというデメリットもあるのも事実だ
実際に、水谷さんにも不安を抱かせていた



そういうストレスを妊婦やその家族に背負わせてしまっている現在
看護師や助産師が彼女達にできるだけ寄り添ってくれているが、患者が多い当院で、看護業務も様々ある現状で、看護師に妊婦のメンタルフォローを背負わせることは限界がある
しかも、妊婦が鬱になってしまったら、看護師だけでなく、心理士による心理学的アプローチが必要不可欠だと思っていながらも、それもできていない状況だ
それでいいのかという葛藤がいつまで経っても俺の頭の中に居座っている


『出産前診断するには、メンタルフォローも必要になる。もっと臨床心理にも介入してもらうように働きかけないとな・・・でも、組織で動いているから簡単にはいかない・・・』


水谷さんの治療をきっかけに、そう考えていたけれど、双胎間輸血症候群の治療環境を整えることを優先しなくてはならず、妊婦のメンタルフォロー体制作りまでには至らないまま時間が過ぎた。

水谷さんから与えられた妊婦のメンタルフォローという新たな課題
それが、この後の俺にとって伶菜との大切な繋がりになる課題になっていたことなんてこの時は思いもよらなかったんだ






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