もっと秘密なラヴシークレットルーム 日詠医師の溺愛ぶりは糖度高めで要注意?!
まさかの澪さんのハグ
しかも伶菜を

凛とした空気を一変させる澪さん
それも彼女の計算ずくの行動なんだろう


「良かった~。ちゃんと出逢うことができて。心配していたんだよ~。」


いや、計算ずくだけじゃなさそうだな
俺のことだけじゃなく、多分、伶菜のことも大切に想ってくれていた

そんな澪さんと俺
傷ついた者同士が背中合わせで傷を癒し合った
それだけの関係なんかじゃなく
お互いに大切な人に向き合う第一歩を一緒に歩み始めた
そんな関係だったんだな

澪さんとの再会が
こんなにもあったかいものになるなんて
1%も想像していなかった

でも伶菜はそんなこと知らない
普通の感覚を持つ人なら
澪さんと俺の関係は到底理解できないだろう


「ちょっと待て。こんなに可愛い奥さん、泣かせるような真似しちゃダメだろ~先生。」

『泣かせていませんよ。大事にしてますから。藤崎さんのおかげで。というワケで、僕は今日早く帰宅して妻に言い訳をしなくてはならないので、早速、予防接種についての説明をさせて下さい。』


だから、ちゃんと言い訳する
後悔なんて一切ない言い訳を、
伶菜に理解してもらえるように


「俺、余計なコト、言った?」

『いいえ、事実ですから。』

「日詠先生、違うわよ~、ホテルに連れ込んだのは私のほうだから。日詠先生は連れ込まれたほうでしょ。」

「ママ、やるぅ~。見る目あるわ。でも、パパを選んだことは見る目なし。」

「芽衣~そんなこと言うなよ~パパ、哀しい・・・」


澪さんと俺の関係を
ご主人にちゃんと理解してもらって、今の幸せな家族を手にした澪さんのように・・・

できれば伶菜に、辛い想いをさせる時間は短くしたい
でも、今は伶菜の言う通り、診察に従事しなくてはならない
しかも、伶菜はここから出て行ってしまった

そういう状況になってしまった以上
俺はここで自分の仕事をするしかない
そう思った時、澪さんが診察室から出て行った伶菜を追いかけて行ってしまった。




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