ハロウィンの夜に
「子供だからといって、油断しただろ?お姉さん。って、よく見ると俺と年は変わらなそうだな」

男はそういうと、ジーっと舐め回すように私の身体をじっくりと見た。


「ねぇ。不法侵入って言葉、知ってる?」

私はワントーン低い声で、小さな殺気を出しながら、男を睨みつけた。

「あぁ、知ってるぜ。それがなにか?」

男は“だから、なに?”といった感じで余裕そうな表情を見せた。


「私がここで大声で叫べば、隣近所が黙ってはいないわ」

私は強硬手段に出ることにした。だって、力で敵わないことくらい理解してるから。
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