運命ってなんだと思う?
週末。

奏の押しに負けて行きつけのネイルサロンに連れてこられてしまった。



「長持ちしますしジェルネイルがオススメですよ」

「は、はぁ...」



元々、マニキュアの匂いが嫌いで自分でもネイルなんてやったことがなかった。


それだけじゃない。

髪の毛だって大学入りたての時に少し茶色くしたくらい。

おかげさまで髪は綺麗だと自分でも思ってるけど...。


とにかく、洋服以外で自分の見た目のためにお金をかけたことなんてほとんどないのだ。

今思うと、大学時代の彼が他に好きな子を作っていたのも、そういうことだったのかもしれない。


奏が前に言っていた。

自分のありのままをずっと愛してくれる人なんていない、と。

ある程度、相手の好みに合わせることも幸せのためには必要だ、と...。
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