【短編】M e m o r y
Memory【2】
卒業アルバムを見て、なんとなくだけど優馬を思いだした。
…てか、私。
優馬好きだったんだよね。
うわっ、
好きな人忘れてた私って…
《美〜…。俺のこと忘れてないー?》
机の上から声がする。
…携帯?
「あっ! …電話の途中だったっけ」
またもや忘れていた物。
あぁ、もう。
アルツハイマーってヤツかなぁ?
自分のバカさに腹が立つ。
アルツハイマーだとしても。
好きな人くらいは忘れないか…。
「もしもし…」
がっくりしながら携帯に手を伸ばす。
あ。
さっきの訂正。
好きだった人くらいは忘れないか…。
なぜ過去形にしたかと言うと、
優馬への想いは、今は何もないから。
。