【短編】M e m o r y
優馬は、中2に進級したと同時に
親の仕事の都合で転校してしまった。
私は、泣いた。
泣いて泣いて、泣き続けた。
けれど。
伝えなかった。
『好きだ』ってことは言わなかった。
言えなかった。
今度、いつ会えるか。
いつ話せるか、わからないのに。
伝えなかったことに後悔した。
そして、また泣いた。
『優馬…っ…』
声を上げても
泣き崩れても
優馬は帰ってくるわけがなかった。
。