【短編】M e m o r y
「……ゆ、…まっ…」
優馬を思うと泣きたくなる。
涙は絶えず、溢れてくる。
今日の私ちょっと変。
ううん、ちょっとどころか、かなり。
1日のうちにこんな泣いた日はある?
優馬を想って…泣いた日はあった?
…違う。
あの頃は幸せすぎたんだよ。
優馬を想って泣くんじゃない。
優馬を想って笑うんだ。
泣く、という事を知らなかった私は、
1つ大人になったんじゃないかな。
笑う、という事しか知らなかった私は、
成長できたんじゃないかな。
「……大好き…っ…だ…よ」
目頭が熱くなる。
溜まっていた涙はどんどん流れる。
その時だった。
──リーン、ゴーン
………え?
。