【短編】M e m o r y



―――…


『優馬!一緒に帰ろうっ』

『あ、美ちゃん。委員会は無いの?』


中1の私と中1の優馬。


小さい頃の優馬は、いつでも私のあとを付いて来た可愛い奴で、そんな優馬が好きだった。


恋愛の対象として、見てたよ。


私と優馬はいつも一緒にいた。



『今日はテスト期間中だから無いの!』


帰宅部の私は、放課後、暇になってしまうので委員会に入っていた。


『そうなんだ。僕もさっき部活終わったところなんだよ!!』


私とは違ってサッカー部に入っていた優馬は、毎日日が暮れるまで部活に励んでいた。


そんな部活をしている優馬を見るのが好きで、委員会中でも窓からサッカー部のいるグラウンドを見ていた。



帰り道は、無理矢理優馬と。

毎日暗くなってから終わるサッカー部を待って一緒に帰ろうとする。


優馬は『暗いと危ないから家まで送るよ』と言ってくれる。


決して『先帰れ』とか言わない。



そんなところが好きだった。


< 6 / 36 >

この作品をシェア

pagetop