【短編】M e m o r y
―――…
『優馬!一緒に帰ろうっ』
『あ、美ちゃん。委員会は無いの?』
中1の私と中1の優馬。
小さい頃の優馬は、いつでも私のあとを付いて来た可愛い奴で、そんな優馬が好きだった。
恋愛の対象として、見てたよ。
私と優馬はいつも一緒にいた。
『今日はテスト期間中だから無いの!』
帰宅部の私は、放課後、暇になってしまうので委員会に入っていた。
『そうなんだ。僕もさっき部活終わったところなんだよ!!』
私とは違ってサッカー部に入っていた優馬は、毎日日が暮れるまで部活に励んでいた。
そんな部活をしている優馬を見るのが好きで、委員会中でも窓からサッカー部のいるグラウンドを見ていた。
帰り道は、無理矢理優馬と。
毎日暗くなってから終わるサッカー部を待って一緒に帰ろうとする。
優馬は『暗いと危ないから家まで送るよ』と言ってくれる。
決して『先帰れ』とか言わない。
そんなところが好きだった。
。