最後の日まで、君のそばで笑っていたい
プロローグ
当たり前に今日が終わって、当たり前に明日が来ると思ってた。自分の傍にあるものは、突然消えてしまうものばかりだと寂しそうに笑う彼女に、俺は消えないと言った。だけど、それは守れなかった。あの時の彼女の言葉が深く胸に刺さる。
「ほらね、言ったでしょ。
私の傍にあるものは突然消えちゃう。」
寂しそうな笑顔を浮かべて君は泣いていた。本当は溢れる涙を拭って、強く抱きしめたかった。君に背中を向けたとき、これで良かったんだと自分に言い聞かせたんだ。運命を変えることが出来ないなら、1番傷つけずに済む方法を選ぶべきだと。直後、俺の名前を呼んだ彼女の声に涙が滲む。だから、振り返って最高の笑顔で言ったんだ。
「さよなら。今までありがとう、葵。」
再び背を向けると、歩き出した。彼女は追いかけては来なかった。
2月14日午後6時
僕らの時は止まった。
「ほらね、言ったでしょ。
私の傍にあるものは突然消えちゃう。」
寂しそうな笑顔を浮かべて君は泣いていた。本当は溢れる涙を拭って、強く抱きしめたかった。君に背中を向けたとき、これで良かったんだと自分に言い聞かせたんだ。運命を変えることが出来ないなら、1番傷つけずに済む方法を選ぶべきだと。直後、俺の名前を呼んだ彼女の声に涙が滲む。だから、振り返って最高の笑顔で言ったんだ。
「さよなら。今までありがとう、葵。」
再び背を向けると、歩き出した。彼女は追いかけては来なかった。
2月14日午後6時
僕らの時は止まった。
< 1 / 3 >