電話のあなたは存じておりません!
『……急にすみません。でも昨日の電話で何となく分かってしまって』
ーー分かってって……。
何を?
『八木沢高校、二年二組の芹澤朱音さんですよね?』
瞬間、背筋がスウッと寒くなるのを感じた。
「……なんで」
『ああ。当たってました? 後ろで掛かってる曲とか声の雰囲気とかで何となくそうじゃないかなと思いまして』
ーーは?
確かにBGMは私のお気に入りのナンバー、Give Me Your Nameだ。
マイナーなのか、あまり人に浸透していないので好んで聴く私は少数派なのかもしれないけれど。
私の声はそんな特徴的なものじゃない。
気味が悪くなって率直に尋ねた。
「あの、あなた誰なんですか? 私の知り合いなんですよね?」
『それは……どうでしょう?
知り合い、と言ったらそうなんですけど。多分キミは覚えてないんじゃないですか?
顔見知り程度、ってのが妥当なとこじゃないかな?』
私に対しての呼び方があなたからキミに変わる。急に距離を縮められた気がして寒気がする。
ーー顔見知り程度……。
という事は、会社に訪れた事のあるお客様かもしれない。
ーー分かってって……。
何を?
『八木沢高校、二年二組の芹澤朱音さんですよね?』
瞬間、背筋がスウッと寒くなるのを感じた。
「……なんで」
『ああ。当たってました? 後ろで掛かってる曲とか声の雰囲気とかで何となくそうじゃないかなと思いまして』
ーーは?
確かにBGMは私のお気に入りのナンバー、Give Me Your Nameだ。
マイナーなのか、あまり人に浸透していないので好んで聴く私は少数派なのかもしれないけれど。
私の声はそんな特徴的なものじゃない。
気味が悪くなって率直に尋ねた。
「あの、あなた誰なんですか? 私の知り合いなんですよね?」
『それは……どうでしょう?
知り合い、と言ったらそうなんですけど。多分キミは覚えてないんじゃないですか?
顔見知り程度、ってのが妥当なとこじゃないかな?』
私に対しての呼び方があなたからキミに変わる。急に距離を縮められた気がして寒気がする。
ーー顔見知り程度……。
という事は、会社に訪れた事のあるお客様かもしれない。