続・電話のあなたは存じておりません！
　私は心配する彼女たちにその事を話した。

　何で既に結婚の決まった元カレにそんな事をされたのか分からない、そして或叶さんに幻滅されたかもしれない、そう不安を吐露すると、由佳が「よし」と言って私の肩を叩いた。

「今日飲み行くよ？　沙奈江も行くでしょ？」

「え、あぁ〜…」

　それまでラフに纏めていた髪をほどき、沙奈江は目を泳がせた。

「ごめん、パス。あたし今日は彼氏とデートなんだ」

　顔の前で柏手を作り、沙奈江がぎこちなく笑う。

「ああ、ハイハイ。ならしょうが無いなぁ、行っておいで」

「はーい」

　ウキウキしながら、「お先〜」と言って彼女は部屋を後にする。

　今日は金曜日だからきっと泊まりで逢うのだろう。

　私は由佳と一緒に会社を出て、行きつけの居酒屋へ向かった。

　＊

「っあぁ〜、週末のアルコール、サイコー！」

　由佳がビールジョッキを煽り、オヤジさながらに息を吐く。

「ちょっと由佳ってば、オヤジくさいよ？」

　私は呆れてツマミのサラダに箸をつけた。

「良いのよ、別に。彼氏の前じゃないんだから」

　そんなものかねぇと思い、肩をすくめた。
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