続・電話のあなたは存じておりません!
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『三人の法則?』

 メガちゃん先生は、伊達メガネを触ってから真面目な顔をして言った。

『そう。あの掲示板では芹澤 朱音に対して悪意を蔓延させるのが多数派として流行ってたけど。
 昨日三人の別意見を投書しておいたから、もう大丈夫だよ。完全に流れは変わって、今は別の話題になってる』

『ど、どういう事ですか?』

 先生の言っている事がよく分からなくて、私はベンチに座ったままで彼を見上げた。

『三つの意見を、さも別々の人間が書き込んだように装ったんだよ。
 三人いればそれは多数派の意見になる。自然と反対意見だった人もこっちの流れについて来る』

『先生……どんな内容を書き込んだんですか?』

『うん?』

『だって、私の事、凄く嫌な風に書き込まれてたのに……ある事ない事、いっぱい』

 うん、と神妙な顔で頷き、メガちゃん先生は三つの意見を詳しく話してくれた。

 "芹澤さんは告白をされて断っただけで彼女も迷惑している。"

 "芹澤さんは他に好きな人がいるから、こんな所で陰口を言われるのは可哀想だ"

 "実際に、みんながやりたくない事を進んでやってる人だから、モテるのも分かる"
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