続・電話のあなたは存じておりません!
 既に持っている可能性もあったが、二つ、ないしは三つ持っていたとしてもアクセサリー感覚で使えるだろう。

 ーー眼鏡が似合う人だからね。

 私は色々なショップを見て周り、しっかりブランドもののサングラスを買った。

 お洒落な白い紙袋の中身を見て、ふふっと笑みがこぼれる。

 ーー或叶さん、喜んでくれると良いなぁ。

 ウキウキと舞い上がり、自然と足取りも軽くなる。

 ーーあ。

 フードコートでランチをする家族連れを横目に捉えて、急にお腹がグウ、と鳴った。

 腕時計を見ると、既に昼の一時を過ぎている。

 何か食べて帰ろうか?

 それとも買って帰るべき?

 一人だし、どうしようかなぁとそこで二の足を踏んでいると、私の目はそこにある一点に吸い寄せられた。

 目を見開いたまま、"そこ"から視線を外せない。

 ーーえ、なんで……?

 人で賑わった日曜日のモール内。

 ガヤガヤとした雰囲気から何を話しているのかは全く聞こえないが、私から数メートル離れたカフェに或叶さんが座っていた。

 仕事の時と同様に、いつものスーツ姿で知らない女性と二人で食事をしている。
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