続・電話のあなたは存じておりません!
「それでも、訴えるつもりだったのよ? 芹澤 朱音さん?」
ーーつもり、だった?
彼女の言い草が過去形なのを、今になって不思議に思った。
「行動の早い彼氏に感謝する事ね? 直接会って、説得までされたわよ?」
それは、つまり。日曜日……?
私は不安定に眉を下げ、首を捻った。
話の流れがいまいち飲み込めない。
「全然理解してないようだから、説明してあげる」
瑞穂さんは、コーヒーにミルクを注ぎ、ティースプーンでくるくるとかき混ぜた。
「金曜の朝、私は父と和希にこの写真を送ったのよ? 父は勿論カンカンだったわ。場合によっては婚約破棄もあるって言われたし、和希の立場も悪くなるって言ってたわ」
私の手前に置かれたスマホを回収し、彼女はそれを手元に置いた。
「私は得意先の専務の娘だからね、まぁ、色々あるわよね?」
そう言って得意げに笑い、瑞穂さんはコーヒーカップに口を付けた。
「そしたらどうしたと思う? 和希ってば真っ先に副社長に泣きついたのよ? 和希にとっては副社長は旧友だし、彼が私の父と懇意にしているのを知っていたからね」
私は考えをめぐらせた。
ーーつもり、だった?
彼女の言い草が過去形なのを、今になって不思議に思った。
「行動の早い彼氏に感謝する事ね? 直接会って、説得までされたわよ?」
それは、つまり。日曜日……?
私は不安定に眉を下げ、首を捻った。
話の流れがいまいち飲み込めない。
「全然理解してないようだから、説明してあげる」
瑞穂さんは、コーヒーにミルクを注ぎ、ティースプーンでくるくるとかき混ぜた。
「金曜の朝、私は父と和希にこの写真を送ったのよ? 父は勿論カンカンだったわ。場合によっては婚約破棄もあるって言われたし、和希の立場も悪くなるって言ってたわ」
私の手前に置かれたスマホを回収し、彼女はそれを手元に置いた。
「私は得意先の専務の娘だからね、まぁ、色々あるわよね?」
そう言って得意げに笑い、瑞穂さんはコーヒーカップに口を付けた。
「そしたらどうしたと思う? 和希ってば真っ先に副社長に泣きついたのよ? 和希にとっては副社長は旧友だし、彼が私の父と懇意にしているのを知っていたからね」
私は考えをめぐらせた。