じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
教室に戻ると、隆君は元気が無さそうに見えた。
岩山君はそんな隆君を心配するように、肩に手を置いている。
周りには熊倉君や数人の友達たちが、心配そうに隆君を見つめていた。
彼らが静かだとクラスの雰囲気も明るさが減り、いつもの元気がないように感じる。
彼らも悩んでいるようだけど、私も悩んでいる…。
私は答えが見つからないまま、りこちゃんとどうしたらいいのかと、話をしていた。
『もうさ、どうすればいいのかなんて、わからないよね。
でも、待ってるって言われて、待たれても困るって言ったんでしょ?
それでも待つっていうのは、こっちはどうにもできないんじゃない?』
ごもっともなお言葉で…。
りこちゃんの言うことは最もだった。
私にはこれ以上、どうすることもできない。
早いうちに隆君が諦めてくれることを願うことしかできない。
どうすることもできないんだし!
開き直ることにしよう!
そう、思ったりしたのに、やっぱり隆君を見ると、開き直ることもできない。
再び、どうすれば…という考えが、私の頭のなかを巡り思考を妨げる。
悩んでも仕方ない!とりあえず、帰ろう!
バイトもあるし!
帰りの時間、私は頭と気持ちを切り替えるように勢いよく席を立ち上がり、りこちゃんに先に帰ることを告げた。