じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
『緑川さんは、こんな僕のことを想って高校の2年間ムダにしちゃったんじゃない?
他にいい人いただろうに…』
『そんな事ないです!
私は水谷先輩を好きになって想い続けて幸せでした』
『そう?それならいいんだけど…』
『まぁ、こんな事を緑川さんに報告することもないんだけど、一応言っておくね。
僕、この休みに入ったら、専門学校に行く前に東京の旅行会社でバイトすることになったんだ。
勿論、登校日の日とか、卒業式とかはお休みさせてもらうけど、それ以外は大体、バイトするつもり。
学校入ったら、昼はそこでバイトして、夜は夜間学校だから、ここから通うのは大変になる。
だから、そしたら向こうに部屋借りて、向こうに住むつもり。
勿論、時々はこっちに帰ってくるけど、そしたらもうなかなか、こっちに来ることも無いだろうから…』
『…………。
そう、なんですか…。寂しいです。
もう、先輩に会えなくなっちゃうんですね。
本当に寂しいです……』
『まぁ、まだ、こっちにいるから。
向こうに行くのは学校行き始めた頃だし、ね!』
悲しい顔をしている私を元気付けるように、先輩は明るくそう言った。