じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
そのあと、水谷先輩を探す。
教室にいない。まさか、もう帰っちゃったの?
不安になる。
その時、ちょうど目の前を通りかかった水谷先輩。
『水谷先輩!』
『ご卒業おめでとうございます!』
『ありがとう!』
りこちゃんと一緒に水谷先輩に会うことはめずらしい。
しかも、みんなが通るこの廊下で先輩と話すのは、そういえば初めてかもしれない。
いつも誰もいないときばかりだったから。
そのせいか、先輩は何だかぎこちなく、表情も言葉もかたい。
それでも、これが最後だし、このチャンスを逃したら、2度と会えない!
そう思った私は、目的を果たすため続けた。