じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
学校の休み時間、帰りの時間。
隆君は本当に遠慮なく、私のところへ来るようになった。
呼ばれていることに私が気づかないと、私を呼んでほしい、と周りの誰かに頼んだりもする。
何だか、冷ややかな視線を感じる。
視線の先には、中島君。
彼の目は、少し怒ったような、悲しいような、そんな風に見えた。
休み時間、いつものように、悩んで机に伏していた。
中島君がきた。
『ねぇ、緑川さん、あいつと付き合ってるの?』
怒ったような、悲しいような、そんな声で聞いてくる。
『ううん、付き合ってはないよ。
友達として、だよ』
『そう、なんだ…。
でも、何であいつ、しょっちゅう緑川さんのところに来るの?』
『う~ん、ね、困ってる…』
『困ってるんだ…。なら、強くあいつに言えば?』
『う~ん………』
『…………。
でも、きっと私が悪いんだよ…』
私が落胆したようにそう言うと、彼は何も言えず、ただ黙って私を哀れみの眼差しで見つめ、優しく頭を撫でてくれる。
とても癒されてる感じがする…。
心地よい、中島君の優しい手。
優しい気持ちが伝わってくる。
嬉しい……。