じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

一方的に電話を切ってしまった。

涙が溢れた。別に隆君を好きではないのに。
傷つけてしまったからだ。
誰かを傷つけると、傷つけた方も大変な傷を負う。


傷つけてしまって、ごめんね、隆君……。


こんな私を好きになってくれて、あんなに私を好きになってくれて、本当にありがとう!


部屋で一人で、そう呟いていた。


隆君のお母さんの事まで、悲しませてしまったな…。
ごめんなさい……。


何度も隆君と隆君のお母さん、そして隆君を応援して、私と隆君の事を近づけさせようと奮闘していた岩山君や熊倉君たち。
みんなに『ごめんなさい』を言い続けていた。


そうして、しばらくして少しずつ落ち着いてきた頃。

私はりこちゃんに報告の電話をした。
辛そうな私の声を聞いて、りこちゃんは慰めてくれた。


終わった。これで、ようやく終わったんだ。


あまりスッキリしないままだけど、一方的に電話を切ってしまった事も、申し訳ないし、気になるけど、でも、終わったんだ。

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