じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

『もう!』


そう言って、更に強く私を抱きしめる。


『…実は、さっきの陽子が見たのと同じの、僕も見たよ。僕もすごく自分の方が恥ずかしくなった。でも、いつか、陽子とあんな風にしたいなって…』


最後の方は、だんだん声が小さくなっていった。
でも、ちゃんと聞こえたよ!

だから、


『うん。私も同じ事を思ってたよ。
だから、恥ずかしくなって顔も熱くなっちゃって…。
こんな事、考えてるって、けんちゃんが知ったら、嫌われちゃうんじゃないかって心配になって…』

『心配してくれて、ありがとう!
でも、勇気を出して言ってみてよかった』


私は彼も同じ気持ちだったと知ることができて、嬉しかった。

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