じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
私はそんなお話上手な岩山君に助けられる形で、周囲の女の子たちとお話しして少しずつ仲良くなっていくことができた。
2年生になり少しずつクラスに慣れてはきたものの、まだまだ慣れきれていない自分がいる。
クラスメートの名前や顔を何となく覚えるのが精々で、休み時間はやっぱり隣のクラスのりこちゃんたちとの会話で盛り上がることが多い。
基本、他のクラスへの出入りはむやみにしてはいけないというルールがあり、廊下などで会話を楽しんでいる。
同じクラスには数人の仲良くなれた友達ができた。
りこちゃんとばかり盛り上がっていてはクラスで浮いちゃうんじゃない?というりこちゃんの助言で数回に一度は休み時間を自分のクラスで過ごすようになった。
廊下などでたまに中島君とすれ違うことがある。
目が合うと、お互いに周囲に気づかれないくらいの微笑みと小さな会釈を交わす。
それは、まだ完全にクラスに馴染めていない私にとってはオアシスの様にも感じる。
でも、こんな風に思うなんて何故だろう?と自分でも不思議だった。
好きな人は水谷先輩。
それは今も変わっていない。
たまに先輩を見かけると心の中でひとりでドキドキしながらにやけてしまう。
たまにバッタリ会うと、先輩は声をかけてくれることもあった。
それが私には本当に嬉しかった。
先輩にとって私はただ、自分を好いてくれている女の子、というだけのものだろう。
それでも、そんな私に優しく声をかけてくれる先輩はやっぱり優しい人なんだ、とつくづく感じていた。