じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

バイトも用事もない放課後は、いつもりこちゃんと誰も居なくなった教室で、おしゃべりしながらグランドの野球部を見る、というのが日課のようになっていた。


りこちゃんには、今日は先に帰ってもらうよう伝えていた。


仲良しの りこちゃんには、何故だかわからないけど隆君に呼び出されていることは伝えていた。


携帯などないこの時代。
私たちの連絡手段は家の固定電話。


バイトで遅くなることをわかっていたため、今日の隆君の呼び出しがどういうものだったのかは、明日、報告することになっている。


私は帰り支度を整え、バイト先へと向かった。



バイトは楽しい。バイト先の方たちも皆いい人ばかり。

みんな和気あいあいと仲良くて、お互い協力しながら仕事をしている。




夜10時過ぎ。バイトが終わり家に帰り、お風呂とご飯を済ませて布団に入る。


今日の隆君からの予想外の告白を思いだし、隆君が早く新しい恋を見つけられるよう願った。




私は、こんな私に好意を寄せて告白してくれた人にはいつも、早くその人が私なんかよりステキな人を見つけて幸せになれます様に、と心の中で祈ることにしていたのだ。



隆君もきっと私の事はこのクラスになって知ったはず。
昨年はクラスも違ったし、私だって隆君を知らなかったんだ。


まだきっと、私を好きになってくれてから日も浅いはず。
それなら、今の傷は浅いだろう。


早く元気に、そして新たな恋と巡りあって幸せになってほしい、と思った。





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