じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
『それで、何て返事したの?』
『好きな人がいるからって、いつもと同じように断ったよ』
『それで向こうは、何て?』
『わかった。って』
『そっか、じゃあ、まぁ、良かったじゃん!』
そう言って、遅刻ギリギリの時間になっていた私たちはそれぞれの教室へ入っていく。
教室へ入ると、隆君たちが目に入った。
いつも明るく笑い声が絶えなかったこの人たちは、今日は静かだ。
岩山君や他の何人かが隆君の肩をたたき、慰めているようだった。
きっと昨日の事を隆君から聞いたのだろう。
私は早く隆君が立ち直って、また元気になってくれたらいいなと思った。