じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
戻ってきた先輩は、
『ふ~ん、なかなかカッコいいじゃん!』
と言ってニヤニヤしている。
隆君は背が高くバスケ部に所属している、細身の男の子。
まぁ、一般的にいえばカッコいいのかもしれない。
『付き合っちゃえば?』
『え?何言ってるんですか!』
『え、告白はされたの?』
頷く私にその先輩は言った。
『また、振っちゃったの?
好きな人がいるからって?』
よくお分かりで……。
『みっちゃん、振られてもあんなに想ってくれてるなら、思いきって付き合っちゃえば?
振り向いてくれない人に片思いしてるより、絶対いいって!』
痛い…。心にグサグサと…。
確かに、振り向いてもらえないのはわかってる。
振られても、こんな風にまだ私を想ってくれてる事もわかってる。
でも、水谷先輩を好きでなくなることは今の私には出来ない。
好きでもない相手と無理に付き合っても、相手に失礼なだけだ。
何も言い返せないまま、今日もバイトが終わり家に帰った。