カタオモイ
こんなに胸が痛くなるものだろうか。

こんなに切なくて、泣きそうで、消えたくなるものだろうか。

大好きな友達の、大切な恋人の話を聞くだけで。

僕だけのケイだと思っていたのに、なんて傲慢なのだろう。

だけど僕らはいつも一緒で。

帰り道、放課後、雨の日、クスクス笑いあって相合い傘をしたこと。

それでもケイはあの子がいいの?

手を繋いで、セックスができて、可愛いかわいい自慢のあの子の方が。

僕が同性だからとかじゃなくてきっと

根本から僕とケイは恋人同士になんてなれやしない。

友達が精いっぱいなんだ。

僕じゃなんでダメなんだろうな。

なんて、考えても仕方ないことが頭の中を支配する。

どうして好きになってしまったんだろう。

どうしてあの子より前にケイのことが好きだったのに、

ケイはあの子を選んでしまったんだろう。

行き場のない感情とやるせなさに体を蝕まれて、

どうしようもなくて。

ケイにとって僕が大切じゃないわけじゃないとわかっているのに。

突き放されたような、この感覚から抜け出すことができなくて。

まともに大切なひとの、恋人とのはなしを聞けやしないんだ。


ー気づいて。

いや、永遠に気づかないで。(傷つけないで)
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