一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
はっきりと自覚した恋心
「ねえちゃん! ねえちゃん! 起きろ!」
勢いよく開けられた実花子の部屋のドアから、祐介が尋常じゃない大きさの声で叫ぶ。
……朝からなんて騒がしいの。アラームが鳴るまで、まだあるのに……。
こんなに近距離でそんなに大きな声を出す必要はないだろう。嫌でも目を覚まさざるを得ない。
のっそりと体を起こした実花子は、ぼうっとした目で祐介を見る。
「なんの騒ぎ?」
不機嫌さが漂うのは勘弁願いたい。
「大変なんだよ!」
「だからなにが?」
大変と言うばかりでは、要領がさっぱりつかめない。しかも朝早くからそんなにまくしたてられたら、びっくりして思考回路も回らない。
「テレビ!」
「テレビ? 壊れたの?」
「違うって!」