一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

祐介がベッドサイドで地団駄を踏む。そこまでするなら、最後まできちんとわかりやすく言ってほしい。


「じゃあ、なに」
「椎名さんが!」


どうしてそこで拓海の名前が出てくるのか。テレビと拓海に接点はないだろう。


「椎名さんが重体だって!」
「……え?」


〝じゅうたい〟って〝渋滞〟? それとも……〝重体〟?

祐介の必死に訴える顔を見て、一気に不安が押し寄せる。毛布をめくって祐介に向き直った。


「拓海さんが重体って、どういうこと?」
「今、テレビで……」


祐介が泣きそうな顔になる。嫌な予感が実花子の背筋を冷たく走り抜けた。


「拓海さんになにがあったの?」


思わず祐介の両腕を掴む。
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