一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

捨てきれない望みをもち、ベッドルームに急ぐ。枕の下に転がっていたスマートフォンを探りあて、拓海の番号を呼び出した。

――お願い、出て!

祈るようにしながら恐る恐る耳に当てる。
一回、二回と続くコール音。七回目が鳴り終わったとき、それは留守番電話に切り替わった。

……出ない。どうして? 本当に拓海さんが事件に巻き込まれたの?

大きな不安を抱えたまま、今度は白鳥の名前を連絡帳から探す。白鳥ならなにか知っているかもしれないと思ったのだ。
ところが白鳥も拓海同様、いくら呼び出しても繋がらない。不安がいっそう増幅していく。

どうしたらいいの……!


「ねえちゃん、椎名さん、どうなっちゃうんだろう……」


目を赤くしたままの祐介の肩に手をのせる。


「大丈夫」


自分にも言い聞かせた。
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