一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
でも、どうしてそんなところに? 拓海がそこにいるのだろうか。重傷を負っているのではないのか。
ともかく所在がつかめれば、今はいい。
「すぐに行きます」
白鳥の返事も待たずに電話を切った。
「ちょっと行ってくるね」
「え?」
実花子の様子を心配そうに見守っていた千沙に告げ、そのまま会社をあとにした。
やはり白鳥は拓海の所在を知っていたのだ。社内でもわかる人がいなかっただけに、白鳥が拓海とつながっていて本当によかったと心から思う。
タクシーを飛ばしてホテルに到着したものの、そこからどうしたらいいのかわからない。焦る指先で白鳥に電話をかけていると、彼は小走りでやって来た。
「実花子ちゃん、実花子ちゃん、こっちこっち」
右手をヒラヒラと振る白鳥の元へ急ぐ。