一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「実花子の口から聞かせて。俺を好きだって」
「……え?」
まだ不安なのだろうか。からかっているわけではない切実な表情に、胸の奥がキュッと締めつけられる。
「キスしたら、俺の実花子への気持ちがもっと大きくなるけど、本当にそれでいい?」
実花子の胸の中が拓海でいっぱいになっていく。
「拓海さんが好きです」
「……頼む。もう一度言ってくれ」
切なくなるほどの声だった。
「好きです」
「もう一回」
「拓海さんが大好きです」
それでやっと満足したのか、拓海はようやく微笑んだ。
「俺も実花子が大好きだ」
やっと重なり合った唇。それは今までにないほど優しいキスで、拓海への思いで満たされていく。