一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
結婚に愛を求めないと言っていた裏で、本当は愛がほしくてたまらなかったのだろう。そんな拓海が愛しい。
ひとしきりキスを交わしたあと、拓海が実花子をそっと引き離す。
「ね、実花子、もうひとつ聞きたいことがあるんだ」
「なんですか?」
また好きかどうか言わせたいのだろうか。それなら何度だって実花子は言うけれど。
「今日、会社で見た光景をどう思った?」
「……会社で見た光景って?」
「俺の部屋でのこと」
そこまで言われて気がついた。拓海が真里亜の肩を優しく抱いていたシーンだ。
せっかくいい気分なのに、どうして今それを持ち出すのか。
「俺にここでぶちまけたときみたいに言ってみて」
「どうしてですか。拓海さんは女の嫉妬は嫌だって」
だからずっと堪えていたのだから。